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2019.03.28 プレスリリース

AI技術による地盤改良体品質判定アプリ「MARCRAY(マルクレイ)」の開発を支援

AI技術による地盤改良体品質判定アプリ「MARCRAY(マルクレイ)」の開発を支援

~AIによる画像診断で、専門家と同じ目を持った地盤改良工事の業務効率化を実現~

当社は、株式会社サムシング(本社:東京都江東区、代表取締役社長前俊守、以下サムシング)のAIによる地盤改良体品質一次判定(または全長ボーリングコア判定)アプリケーション「MARCRAY(マルクレイ)」の開発支援を行ったことをお知らせします。

サムシングは、戸建て住宅から10階建て以下のビル等の地盤を安定させる地盤調査から改良工事を主とした建設会社です。同社は2015年よりSalesforceを導入し、あらゆる業務や場面で活用し、営業と現場の情報はSalesforceに蓄積されています。
サムシング社は、現場の「工事品質を担保できる人材育成の難しさ」、また工事過程による「検査に値するか否かを判断する専門家の不足」という課題を抱えていました。そこで、その課題解決のためSalesforce Einstein Vision※1を活用した、Androidアプリケーション「MARCRAY(マルクレイ)」をフレクトが開発支援しました。
※1Salesforceが提供するAIソリューション

■開発の背景
地盤改良工事(深層混合処理工法)において、現場でコアを採取して品質検査を行うことは必要不可欠です。そのコアを検査機関に送るに値するか否かを判断する専門家の社員は少なく、人材育成には最低でも数年が必要と教育の難しさと人材不足が課題となっていました。また、検査結果が得られるまでには1~2週間を要し、送付した全長コアが合格基準を満たしていない場合、再採取のために更に1~2週間の期間がかかります。場合によっては基礎を撤去し、やり直す必要があり、現場への負荷・費用負担という課題もありました。そこで、画像認識に特化したSalesforce Einstein Visonを活用し、品質検査「全長コア」の一次判定が現場で可能となるAIアプリケーションの開発することとなりました。

■地盤診断アプリケーション「MARCRAY(マルクレイ)」
MARCRAYは、スマホカメラで撮影された全長コアの写真を処理し、検査基準を満たしているかどうかを判断します。画像診断にかかる時間はわずか30~60秒程で合否を提示します。

■アプリケーション開発のポイント
1.AIモデルの学習に利用したのはカラー+グレースケール
カラーとグレースケールの両方を学習させることで判定の精度が上がりました。これは土壌の性質によるもので、関東ロームの赤土は弱く固まりにくいため「赤色」と判断されるとNGとAIが学習しました。そのため、色で左右されるものではなく土壌本来の性質を判断するように対応しました。

2.誰もが同じ状況で撮影できるようにUIを工夫
AIモデル作成の過程で影が入ると判定精度が下がることがわかったため、撮影時は「影が映らないように」とポップアップ表示させるなど、UI上で判定精度向上のための工夫を行いました。

3.画像の自動学習はさせない
開発段階で様々な写真データを蓄積し、専門家の方に選別してもらい、それを基にAIに学習をさせました。AIの機能は、偏った学習をさせると精度が下がる傾向があり、今後さらにAI自体が成長するためにもサポートが必要となります。

現在、関東圏の現場で使用開始され今後11月を目途にサムシングの全国の拠点で提供されます。今後「MARCRAY」アプリの精度向上のため、フレクトはサポートに尽くします。
フレクトでは、エンドユーザの問題解決を行うとともに新たな顧客体験を提供し、社会の発展に貢献することを目指し先端技術の成長を目指します。

【株式会社サムシング】
URL: https://www.s-thing.co.jp/index.html


【本件に関するお問い合わせ】
株式会社フレクト
広報:森
TEL:03-5159-2090
Mail:pr@flect.co.jp