株式会社インターメスティック様
メガネ選びの不安と待ち時間を、AIスタッフが受けとめる
~Agentforceで実現したZoffのAIスタッフ「ゾフィー」~


Introduction
株式会社インターメスティック(以下、同社)は、アイウエアブランド「Zoff」を全国に展開する企業です。「もっと自由に・楽しく・気軽にメガネをTシャツのように毎日着替える社会をつくること」という創業当初から掲げる原点のもと、店舗数は年間20店舗前後のペースで純増を続け、店舗で働くスタッフは3,500名規模にのぼります。
一方で、メガネの購入体験には、洋服や靴とは異なる固有のハードルがあります。視力測定、レンズの加工、フィッティング調整。受付から受け取りまでに複数の待ち時間が発生し、そもそも「自分に何が似合うのか」「どのレンズを選べばいいのか」が分からないという不安もつきまといます。加えて、旺盛な出店計画に対して人員の確保は容易ではなく、インバウンド需要への多言語対応という課題も重なっていました。
こうした課題に対し、同社はSalesforceのAgentforceを基盤としたAIスタッフ「ゾフィー」を開発し、2026年2月にローンチしました。プロジェクトの背景やポイントについて、デジタル戦略本部 ITデジタル部の得田様・五來様にお話を伺いました。
インタビュー実施:2026年9月
お話を伺った方

株式会社インターメスティック
デジタル戦略本部 ITデジタル部
部長 得田 雅史様(写真右中)
店舗システムグループ チーフ 五來 昂介様(写真右)
プロジェクトの背景・課題について
「もっと自由に・楽しく・気軽にメガネをTシャツのように毎日着替える社会をつくること」。創業当初から掲げているこの原点は、IT部門にとっての指針そのものになっています。
メガネは、洋服や靴や帽子と違って視力測定やレンズの加工、フィッティング調整が必要で、受付登録も含めると購入までにどうしても時間がかかり、いくつものハードルを越える必要があります。もともとZoffは、メガネの価格が分かりにくいという課題にスリープライスで応えてきたブランドですが、価格以外にも、洋服などと比べて購入の手間がかかるという課題は残っていました。そこにデジタルなどを活用していかに簡単にできるか。洋服をパッと着替えるのと同じ感覚にどれだけ近づけられるかを目指していくことが、私たちの取り組みの一つのテーマになっています。

そのテーマに照らしたとき、私たちが解決すべきことは大きく4つありました。
1つ目は、お客様の不安です。メガネは洋服ほど購入頻度が高くないので、お客様ご自身も自分に似合うメガネが分からない。レンズも種類がいろいろあって、どれが自分に合うのか、どのレンズを選べばいいのかが分からない。そうした不安を解消することが、最初の課題でした。
2つ目は、待ち時間です。受付待ち、視力測定待ち、商品の受け取り待ち。購入までにこうした手間が積み重なります。ご自身のスマートフォンで済ませられる部分をつくることで、この待ち時間を減らしたいと考えていました。
3つ目は、人手不足です。1店舗あたりのスタッフは平均して10名弱、多い店舗でもアルバイトを含めて15名ほど、少ないところでは7名ほどです。一方で来客数は、ご購入だけでなく、調整やクリーニング、お渡しといった数字に残らないご来店も含めると1日平均50〜80名、セール期には200名近くまで増えることもあります。メガネは来客数の振れ幅がとても大きい業態なので、人手不足も顕著に出やすい。足りるときはすごく足りているのですが、足りない時期になると、どの店舗も枯渇してマンパワーで回すことになります。強めのセールが特定の商業施設で行われるときには、近隣店舗からスタッフを集めて、その日は1店舗20名ほどの体制で回すこともあります。しかも、メガネ選びに迷うお客様の接客には時間がかかります。お客様との会話そのものは何より大事なのですが、スタッフ1人が1時間ほどお客様につきっきりになると、ほかの接客が手薄になってしまう。この人手不足を、どう補っていくかが大きな課題でした。
4つ目は、インバウンド対応です。店舗によってはお客様の半数以上が海外の方というところもある一方、多言語で対応できるスタッフを全店に配置するのは困難です。ここも長年の悩みの種でした。
こうした課題を抱える中、接客にAIを導入するという発想が生まれたきっかけは、中期経営計画の策定でした。2024年の後半に5か年計画を立てる際、社会課題を整理していく中で挙がってきたのが人口減少です。事業は成長させていくけれども、人口減という社会課題は避けて通れない。そこに対応するための施策を各部署で考えてほしい、という方針が共有されました。
会社全体で見れば、店舗は増えていくけれどもスタッフは思うように増やせない、という話です。私たちIT部門としては、そこをシステムでどう支えるかが問われることになります。ちょうどそのタイミングで、AIへの注目が社内でも高まっていました。それなら接客自体をAIにしてもらえたらいいのではないか、発展性もあるのではないか。そう考えて、AIスタッフの導入を具体的に検討し始めたのが2025年の前半です。
振り返ってみると、AIスタッフというアイデアは、先ほどの4つの課題すべてに応えられる可能性を持っていました。スタッフのノウハウとナレッジを持ったAIスタッフがいれば、100パーセントの代替まではいかなくとも、お客様の不安解消や待ち時間の短縮、人手不足の補完につながります。お客様側から見ても、「スタッフに声をかける」のと同じくらいの選択肢として「AIを立ち上げてみようかな」があれば、スタッフに話しかけるのが得意ではないお客様も、心地よくお買い物ができるのではないかと思っています。多言語対応についても、AIが得意とするところですので、インバウンド対応の一助になると考えました。
社内には「そんなことができるのか」「作っても利用してもらえるのか」という懸念はありました。ただ、実際にローンチしてみると、店舗スタッフにもお客様にも使っていただけており、その懸念は杞憂に終わったと感じています。また、「接客は人がやるべきだ」という反発もありませんでした。むしろ経営層にとっても店舗の人手不足は課題でしたので、スタッフでなくても解決できるようにしていきたい、という方向感は共有されていました。
このとき社内の合意形成を後押ししてくれたのが、Salesforce社が制作していた将来像のイメージ動画でした。スマートフォンの中でAIが音声でお客様とやり取りしている。「今すぐにはできないけれど、ここを目指していくのです」と、分かりやすく伝えられる良い素材でした。そこに至るまでのステップを描いたうえで、「それならやってみよう」とプロジェクトが動き出しました。
AIスタッフ「ゾフィー」について
ゾフィーが担っているのは、お客様がスタッフと話しにくい、一人では決めにくいという場面です。役割は大きく2つあり、1つが商品のレコメンド、もう1つがお客様一人ひとりに合わせたパーソナライズです。
とくに効果を感じているのは、パーソナライズのほうです。メガネの買い替えサイクルは1年前、2年前ということが非常に多く、お客様ご自身も前に買ったメガネの情報を覚えていません。さらにメガネ店ではレンズの保証なども設けているため、これまではスタッフに聞かないと解決しなかったことがたくさんありました。「前に買ったメガネの保証は残っていますか」「同じものはありますか」「あれは何年前でしたっけ」。そうした質問にゾフィーが答えて解決に至っているというのが、今の活用としては一番大きいところです。

これを支えているのが、私たちがお客様の情報を頂戴してデータとして管理してきた10年以上の蓄積です。この価値の高い情報を、社内での活用にとどめず、お客様に向けて還元できる。フェーズ2でLINE ID連携によるパーソナライズまでリーチできたことで、長くZoffをご利用いただいている方との関係性も、ゾフィーを介して形にできるようになりました。過去にこういうメガネを買っていたから、こういう新しい商品はどうですか、と。自分にだけ対応してくれているような特別感は、ゾフィーだからこそ提供できる価値だと思っていますので、パーソナライズ機能の質には特にこだわりました。
そして、その土台になったのは、現場の知見です。このプロジェクトには現場に近いメンバーにも入ってもらい、店舗スタッフが普段お客様からどんなことを聞かれているのか、お客様は何を知りたくてスタッフに声をかけているのかを、ベースに据えました。単に情報を返すだけでなく、そこからプラスアルファの購入や再来店につながるように機能を設計しています。
多言語対応については、お客様向けアプリケーションが日本語・英語・中国語の3言語なのに対し、ゾフィーでは中国語の繁体字と韓国語を追加し、合計5言語に対応しました。
一方で、すべてをAIに置き換えようとは考えていません。私たちは接客ありきでずっと運営してきた会社です。私が入社したときも「人で勝負する」という色が強く、その印象は今もなくなっていません。それはいいところだと思っています。そのうえで、AIと人には明確な違いがあります。
一番大きいのは、情報の取り出し方のスピードです。スタッフがお客様と会話しながら、そのお客様の過去の情報を暗記していて出す、ということはできません。iPadを操作して調べるにしても、お客様に少しお時間をいただくことになります。対してAIなら、お客様ご自身のスマートフォン上でパッと出せる。このスピード感が決定的に違うところです。
逆に、人にしかできない領域もはっきりしています。視力測定は、細かく言うと目の状態を測るフェーズと、お客様に合わせていくフェーズに分かれます。前半は、今はもう半分自動化しています。人のノウハウやバイアスが正直ほとんど必要ない部分なので、スタッフが検眼機から席を立っている状態のこともあるくらいです。ただ、測定が終わってから、お客様が今日どういうものを望んでいて、普段どういうメガネを使っていて、そのメガネで何に困っているのかをお聞きしたうえで、「こういう度数はどうですか」「この見え方はどうですか」とご提案するところは、まだ人の力が必要だと思っています。
ここも、どういうご要望で、どういう目の状態であれば、こういう度数がいいのではないか、というレコメンドの素材は揃ってきています。少しずつ、自動化とまで言わずとも、なるべく人の手を介さない形にしていきたい。そうすれば、商品のレコメンドのように人間がすることで説得力が生まれるところや、待ち時間の解消に人を割けるようになります。最後のフィッティング調整のように、人だからこそ提供できる価値を最大化する。そのためにAIを使っていく、という考え方です。
Agentforce、フレクトを選んだ理由
技術基盤については、いくつか候補を検討しました。決め手になったのはデータです。
私たちはトライアル導入から10年、2016〜2017年頃からは店舗でSalesforceを稼働させてきました。お客様情報も注文情報もSalesforceで管理していますので、それをリアルタイムに使うことを考えたら、Salesforceで作るのが早いのではないか。そう考えてAgentforceを活用することにしました。その先では、購入の導線の中にこのAIを組み込んでいけたらとも考えていましたので、その意味でも親和性がありました。
開発パートナーについては、Agentforceの中でさらに比較検討をしています。フレクトさんに決めた理由は、大きく2つでした。
1つは、RFPへの回答における実現性です。「こういうことをやりたい」というリクエストに対して、フレクトさんは最初のスタートの時点から「機能として実装できます」と回答してくれました。
もう1つは、その実現性をモックで示してくれたことです。簡易的なものであっても「こんなイメージで作れます」という形が毎回提示されるので、完成像を具体的に思い描くことができました。本当にできるのかと率直にお聞きしたときも、コードモックを用意して「こういう形で実現できるので大丈夫です」と分かりやすく伝えてくれた。それが決め手になりました。
開発が始まってから「フレクトさんにして良かった」と強く感じたのは、プロジェクト管理・スケジュール管理をしっかりしていただいたところです。私たち側がやらなければいけないボールに対しても、期限をしっかり切りながら進めてくれました。急かしてくる、と言えばそうなのですが、これは本当にありがたいことです。ついほかの業務に追われて遅れがちになりそうなところを促してくれるので、こちら側のタスクもなんとかこなしながら進められました。急かしてくれる会社さんは、終わってみるとやはりいいなと思います。
開発で苦労した点
苦労した点は2つあります。1つは、おすすめ商品の推薦ロジックです。
最初の構築方針はすぐに出していただいて、動くものができました。ところがその結果を見てみると、返ってくる回答が私たちの満足のいく精度ではなかった。回答は返ってくるのですが、その内容がちょっと違うな、受け入れられないな、というものでした。当初はおすすめ商品を出すロジックが、商品説明のテキストをメインにした、どちらかというとRAGに近い形だったのです。その方式だと古い商品が選ばれたりする。「こんな古い商品が今のおすすめですと出されても」と思うようなところがありました。

そこで、商品マスターや売上ランキングのデータを使い、AIがSQLを組み立てて取得する方式に作り替えてもらいました。ある程度作り込んだ段階からの大きな変更でしたが、対応していただけました。そうなってからは売れ筋の中からおすすめが選ばれるので、「これがおすすめです」と言われたときに納得感のあるラインナップになりました。今の方針のままではどうしても実現できないというところで、変える以外にないと判断し、お話をさせていただいて良かったと思っています。
この転換に至るまでには、議論を重ねた時間もありました。何を聞かれたときに何をおすすめするのか、というノウハウが個人に属人的に留まっていた。それを私たちが気づいて言語化し、お伝えするところに少し時間がかかったのだと思います。当時、私たちの部門の管掌役員がたまたま打ち合わせに入ったときには「なんだか喧嘩しているけど大丈夫?」と言われたこともありました。ただそれは、1つのゴールに向かってお互いが真剣に議論できる関係性があったからこそだと思っています。
もう1つ苦労したのが、FAQの整備です。出発点としては、オンラインストアで公開しているFAQがありました。ECと実店舗の両方の内容を載せているので、そのまま使えるのではないか、というところからのスタートでした。しかし、結果としてはそのまま使うことはできませんでした。
現場ベースで物事を考えたときに、暗黙知といいますか、文字に起こせない感覚ベースのものがすごく多いのです。それをどうやってゾフィーの回答に載せるか、幅の広いご質問をどう捌くか。そこが一番苦労したところでした。
たとえば、視力や度数に関するご質問です。「初めてのメガネなのですが、処方箋は必要でしょうか」という問いに対して、オンラインストアのFAQでは「度数が分かっているなら処方箋なしで買えますよ」と回答しています。もちろん間違いではないのですが、これはどちらかというと購入フローに関する回答なのです。同じご質問を店舗でされたときは、「もちろん買えますが、こういう懸念もありますよ」というご案内になります。初めてのメガネで、お客様がお子さんであれば眼科を推奨することは往々にしてありますし、測ってみたらご本人も自覚していなかった左右の視力差が大きく、度数を決める際のリスクが実はある、ということもあります。
メガネは半分医療のような領域だと、会社としてずっと言っています。間違ったことをお伝えして、お客様がその認識でご購入されて怪我をしてしまった、目に悪い影響が出た、となると、一般的な商品販売とは違う責任が生まれます。レコメンドとは切り離して、FAQの回答は絶対に正しいことしか言ってはいけない。そうなると、なかなか難しいというか、特に力が入ります。
とはいえ、回答があまり長くなってもお客様は読んでくれません。逆に書かなければ、ご来店されたときに「書いてなかったじゃないか」となってしまう。その落としどころを、想定質問一つひとつ精査していくのがとても大変でした。
現在は、目に疾患がある方や怪我をされている方、見え方が著しく悪い方には処方箋を推奨し、そのほかは「ご測定自体は可能ですので、測ってみてご不明点があればスタッフまでお声掛けください」とご案内する形に落ち着いています。本当はゾフィーだけで完結させたい、お客様の判断をそこで終わらせたいのですが、読んだ10人が10人「分かった、じゃあ測ろう」「じゃあ処方箋を持ってこよう」となるところまではいけていない。ここはまだ課題感があります。
レンズのご案内も同じです。オンラインストアのFAQでは、レンズについてのご質問には「レンズのページをご確認ください」とリンクをご案内していました。でも、AIに質問してリンクだけが返ってくるのは、期待される回答ではありません。せっかく聞いたのに「詳しくはこちら」と言われてしまう昔のチャットボットのようになってしまう。ですので、レンズの概要や、見え方に応じてもう少し絞り込むような内容まで踏み込んだ回答を、ゾフィー用に作り替えました。
ローンチ後の反応
店舗に導入する際には、2日から4日ほどスタッフに触ってもらう時間を取っています。「この流れなら本来こちらに行くはずなのに、違う回答で終わってしまいました」といったフィードバックをもらって、すぐフレクトさんに連携して直してもらう。それをずっと続けてきました。
そうしたやり取りの中で現場から聞こえてくるのは、自分たちの案内を代わりにやってくれる、顧客データを引き出せるようになった、という機能面でのポジティブな声です。一方で、これは私自身が過去数年店舗にいたので分かるのですが、スタッフには別の不安もあります。
仮にゾフィーが間違ったことを言ってしまったり、スタッフが想定していない回答をしたことで、お客様に違う認識を与えてしまう。それをフォローすることになるのではないか、という恐れに近い不安です。回答のスピードについても「まだ自分たちのほうが早い」という感覚があり、自分たちの代わりに任せられるところまでは行っていないのだな、というのは正直に感じているところです。私たちとしては、一人のAIスタッフとして、人間のスタッフにはできないことや、お客様にとっての気軽さを生み出していきたいので、ここは引き続き向き合っていく課題だと思っています。
お客様からの直接のフィードバックはまだそれほど多くありませんが、どういう質問をゾフィーに投げているのかはログとして見えています。普段こういう質問がスタッフに向けられていたのだな、というのは一つの学びになりました。
多言語に関するフィードバックも同様にまだ多くありませんが、インバウンドの強い店舗を中心に、ゾフィーのクオリティが上がってくれば指数関数的に増えていくのではないかと思っています。多言語を話せるスタッフばかりではありませんし、翻訳ツールを前提に日本語のスタッフだけで対応している店舗もあります。その助けには絶対になるはずなので、助けになるための機能性の向上を進めているところです。
プロジェクトの成功要因
一般的な話も含まれますが、今回うまくいった要因は2つあると思っています。1つは、ファーストバージョンでこういうものを作る、というのが社内で事前に明確にできていたこと。もう1つは、それを実現する技術を持った会社さんと組むことができたことです。
当たり前のような話なのですが、内部側の要件が曖昧だとプロジェクトが迷走したり、「できます」と言った開発会社さんが蓋を開けてみると苦戦する、ということが意外と起こります。この業界に長くいるので、そうして失敗するプロジェクトもいくつか見てきました。作るものが定まっていて、フレクトさんが最初の提案段階からモックで実現性を示してくれた。この2つが噛み合ったことが大きかったと思います。

フレクトさんの進め方は、プロジェクトを越えた学びにもなりました。今、別件でお客様向けのフロントアプリケーションを刷新しようとしています。私が入社したときから10年間使い続けてきた仕組みを変えるプロジェクトで、画面設計から設計書のレビューまで進めているのですが、その中ですごく感じたのは、「伴走ってこういうことなのだな」ということでした。
開発会社さんに対して、譲歩できるところとできないところ、要望をちゃんと伝える。逆に自分がもらう要望にも正面から返す。お互いが同じ認識を持てた状態で、いい意味で遠慮なく言うべきことを言い合う。フレクトさんと関わって自分に身についたことで、今進めているプロジェクトの大事な軸にもなっています。
今後の展望、フレクトへの期待
今のゾフィーは、わざわざ呼ばないとアクセスされない、質問があるときに質問する、という位置づけです。将来的にどうしたいかというと、「Zoffでの購入体験では必ず通る場所」にしたいと考えています。実店舗でもオンラインストアでも、必ずゾフィーを通る形です。
実店舗では今、順番待ちの受付をしていただいていますが、そこからゾフィーに話しかけながら受付を済ませていただく。最初のご購入はさすがにすぐには解決できないのですが、2回目以降のご購入のときは「以前と同じ度数、同じレンズでいいです」という方が結構多いのです。そうしたときに、ゾフィーが「今回は視力測定をされますか」とお聞きして、「同じレンズ・同じ度数でいいです」とお答えいただければ、ゾフィーがSalesforceに注文情報を作ってくれる。フレームも決まっていれば「このまま決済できますが、決済しますか」「分かりました、決済します」「では商品のお受け取りは30分後になりますので、またその時間にご来店ください」で終わっていく。そういう体験にしていきたいと考えています。
オンラインストアも同様です。店頭にいらしたお客様が自宅に届けてほしいとなれば、ゾフィーと対話しながらオンラインストア側に情報を作り、注文が完了したらご自宅にお届けする。オンラインストア側には住所などの情報を保管していますし、お客様のもとへお届けする機能もあります。今は店頭でiPadに色々と入力していただいたり、スタッフが注文情報を入れたりしながらご購入が完結していきますが、これを簡単に言うと、iPadではなくゾフィーで完結させていくということです。
そうすれば、ちゃんとスタッフとして、労働力としての働きになってくると思っています。これがロードマップにある「アクション機能」で、その先に音声エージェントへの進化を見据えています。
ただ、人に聞きたいことは人に聞かないでください、ということではありません。人に聞きたいことは人にも聞いていただきたい。スタッフ側も、これまでiPadに入力していたお客様の情報を、音声でゾフィーに伝えるようになるかもしれません。どちらにでも対応できるインターフェースになればいいと思っています。
まさにそういうロードマップを描いているので、フレクトさんには、その実現にぜひ伴走していただきたい。ある意味、私たちは構想しか立てられていないので、それを実現するテクニカルなところをお願いしたいと思っています。
機能面では、まだまだできることを増やし、足りないものを足し、できないことを減らしていかなければいけないと常に感じています。直近で言えば応答速度の部分です。速度の課題が解決して、やっとその先が見えてくると認識しています。一気通貫でできるという形に向けてより進めていきたいので、期限のところも含めて、できること・できないことをご相談させていただければと思っています。
AIで接客を変えたいと考えている小売業界の方々へ
各社さんの状況を見ていると、PoCで試すところまでは進んでも、本番実装まで至らないと苦慮されている会社さんがまだ多いとお聞きします。私たちもすごく苦労しながら、苦慮しながら、現在進行形で進めているところで、全然完成というところまでは行っていません。
そうは言っても、労働力不足や人口減は避けられない社会課題ですので、そこに向けた対策は取っていかないといけない。そのうちの一つの手として、AIは有効な手段になってくるのではないかと思います。
もう一つお伝えしたいのは、楽しむことです。AI自体、進化も変化も激しい技術です。IT業界やデジタル業界の方、デジタルに触っている方はすごく共感していただけると思うのですが、これは触れていて楽しい技術です。「ここまでできるようになったのか」と。それが3ヶ月、半年で変わっていく。だから、この技術を楽しみながら、苦労しながら進めていくのが一番いいのかなと思っています。
変化の速さは、新しい課題も生んでいます。社内のルールが全然追いつかないのです。これまでプログラム開発など絶対にすることがなかった人が、いつの間にかHTMLベースのアプリをAIと対話しながら作っていた、ということがあり、ヒヤッとするケースもありました。分かる人がレビューを入れるとか、開発ルールやセキュリティ教育を実施するのはこれまではIT部門だけで良かったものを、AIに触る人全員に広げていかないといけない。そう感じています。それでもやはり面白い技術ですので、ルールをしっかり設定し、開発環境も用意しながら進めていこうとしています。


株式会社インターメスティック
デジタル戦略本部 ITデジタル部
部長 得田 雅史様
店舗システムグループ チーフ 五來 昂介様
人事戦略本部 ITデジタル推進部 店舗システムグループ
青野 雄哉様
株式会社ゾフ
営業統括本部 店舗CX・DX推進部 店舗OP改善グループ
チーフ 池田 照彦様
株式会社フレクト
クラウドインテグレーション事業部 細田 真仁、髙木 康広



